内容説明
享保七年、八代将軍徳川吉宗は腹心の南町奉行大岡越前守忠相とともに、世にいう「享保の改革」、世直し政治の真っ最中―。そんなある日、将軍家菩提寺・増上寺に元修行僧『呑蝮』こと尚道は、渋谷川でひとり野辺送りをする美貌の女に行き会ったことから、女の夫の仇討ちを引き受けることになってしまった。夫は元武士で、渋谷の新田開発に絡む揉め事で無頼に殺されたのだという。下手人を操る黒幕を探り、『呑蝮』が突き止めたのは、開発を餌に儲けを企む悪人輩。しかもその裏には幕府重臣たちの陰謀が蠢めていた…。表向きは異相の破戒僧。だが、仕込み杖から一閃する逆手居合い斬りで巨悪を裁く、その正体は。
著者等紹介
大栗丹後[オオグリタンゴ]
1928年生まれ。横浜在住。テレビ局プロデューサーを経て作家となる。第一回「全日本剣道連盟有効賞」を平成7年に受賞
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