出版社内容情報
性教育というのは、誰とどのように関係を築いていくかを考えていくことも大切な学びでもあるのです。
「性」は人間にとって豊かに、そして幸せに生きるためのもの。(略)からだや生殖のしくみだけでなく、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等、幸福など「人権」を基盤とし幅広いテーマを含む性教育を包括的性教育と言います。(プロローグより)
「赤ちゃんはどこから来たの?」「LGBTQってどういう意味?」「付き合っていたら手を繋ぐのは当たり前?」
心とからだに変化が訪れる思春期、わたしたちは沢山の「なぜ?」に出会います。あなたなら何と答えますか?
まずは科学的に自分自身のからだを知ること。それはあなたを守ることにも通じます。からだの仕組みのほか、「男らしさ」「女らしさ」の根っこにある思い込み、性感染症、デートDV、バウンダリーといった他者との関係づくりのルールなどなど、現場の教員や大学研究者と作り上げてきた性教育プログラムの実践内容をぎゅぎゅっと一冊の本にまとめました。
性を学ぶことはあなたにとって大切な権利。心とからだが発達し始める中学一年生から、どこから伝えればいいかわからないという家庭や教育の現場まで、幅広い世代にこそ手に取ってほしい、人との豊かな関係を作るための「性の教科書」です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
18
元公立中教諭であり、保健体育の授業で性教育を実践してきた著者が性について解説した包括的性教育の入門書。「はどめ規定」により「妊娠の経過」である「性交」については授業では扱わないとされているが、高校生が妊娠してしまうという問題を考えると、受精の仕組みや避妊具の効果等については予め教えておいた方が良いとする。避妊率が最も高いのは経口避妊薬だが、体の健康のためにもアクセスしやすい環境を整えるべきだし、男性も性感染症や妊娠のリスクについてもっと学ぶべきだと思った。2025/06/16
優
0
割り当てられた性やバウンダリー、グラデーションだったりフルイディティ。ジェンダーバイアスや緊急避妊薬などなど。大切なことをわかりやすく、それでいて取りこぼさないような表現になっていて良かった。2024/09/17