内容説明
「フクちゃん」だけじゃない!横山ワールド、再発見の旅へ!!挿絵画家としての横山に大注目。知られざる挿絵作品を発掘。
目次
挿絵ギャラリー 生ける死美人(トレント最後の事件)(E.C.ベントリイ(延原謙訳))
挿絵ギャラリー 塙侯爵一家(横溝正史)
豚児廃業(乾信一郎)
キリヌキ宝島(R.L.スティーヴンソン原作)
上海燐寸と三寸虫(長谷川伸)
師父ブラウン(水谷準)
青色鞏膜(木々高太郎)
資料 横山隆一インタビュー
探偵小説の挿絵画家としての横山隆一(末永昭二)
著者等紹介
末永昭二[スエナガショウジ]
1964年、福岡生まれ。大衆小説研究家。立命館大学文学部卒。『新青年』研究会に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
54
挿絵シリーズ四巻目。本書は『フクちゃん』で有名な横山隆一で、新青年を中心とした大正時代独特の挿絵を十分に楽しめる造りとなっている。とはいえフクちゃん自体は二三回見た事がある程度なんだけど。収録作はユーモア小説から端正小説まで幅広く収められており、挿絵もそれにふさわしくシリアスなものから戯画化されたものまで幅広い。特に横溝正史の「塙侯爵一家」等は連載だけあって、タッチの違いが十分にわかるようになっている。他にも木々高太郎や長谷川伸といったチョイスも興味深いし。有名漫画家の別の一面、興味深く見ることが出来た。2018/02/14
保山ひャン
1
フクちゃんでお馴染みの横山隆一が挿絵をつけた探偵小説を中心に集成。松野一夫や竹中英太郎ばりの挿絵が見られて楽しい。収録作はE・C・ベントリイの生ける死美人、横溝正史の塙侯爵一家の挿絵ギャラリーと、乾信一郎、切り絵風の宝島、長谷川伸の現代小説、水谷準によるブラウン神父ものの翻訳、そして木々高太郎。新青年時代を語るインタビューも収録。小説も挿絵の画風もバラエティに富んでいた。2018/03/29