出版社内容情報
北條民雄・内田静生・光岡良二・麓花 冷・東條耿一ら、文学サークル五人衆をはじめとする戦前期ハンセン病文学を代表する作品群に同時代を生きた編者が解説を付す。
収録作品中の「猫」は、編者の処女作である。
序文にかえて 病葉たちに饗宴/微笑の詩 内田静生
いのちの初夜 北條民雄
望郷歌 北條民雄
秋の彼岸 内田静生
列外放馬 内田静生
徒労 内田静生
家族図 光岡良二
青年 光岡良二
貉 光岡良二
手紙 麓 花冷
土曜日 麓 花冷
霜の花――精神病棟日誌 東條耿一
日陰る 於泉信雄
錆 細田龍彦
梨 山岡 響
風と花 松井秀夜
猫 辻 辰磨
南へ 林 八郎
静かなる情熱 森田竹次
後記及び解説 盾木 氾
内容説明
北条民雄・内田静生・光岡良二・麓花冷・東条耿一(多磨全生園・文学サークル五人衆)ら戦前期ハンセン病文学を代表する作品群。同時代を生きた文学仲間による鎮魂のアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よぽ
6
北条民雄「いのちの初夜」が読みたくて。 感染すると身体的、そして社会的にも「死」が目前にせまるハンセン病を患い、全生病院に入院する尾田。その入院初日の物語だが、まるて頭を強く揺さぶられるような衝撃。生命とは何か、強く考えさせられる。2022/03/21
ノコンギク
1
ハンセン病者収容施設 多摩全生園の入所者の方々が、厳しい生活を強いられるなかで真剣に文学に向き合った作品集です。その研ぎ澄まされた表現は、火花が散る。身を切るような鋭さ。今の時代では読みやすい文章ではないと私は感じましたが、文学に生きる意味を見出そうとした、短い生涯に咲かせた花火のような美しさ。まず最初の「いのちの初夜」北条民雄に圧倒された。2018/08/28
-
- 和書
- 機構設計データブック