出版社内容情報
幕末動乱の時代に、武蔵国橘樹郡下菅田村に知行地をもつ幕臣の酒依氏は、御書院番士として、飯田橋に移居し、江戸城の警備にあたっていた。
天保の頃までは、世情が騒然とするも、中行事も執り行われていた。
しかし、ペリー艦隊の来航・上陸や長州藩との戦闘が始まると次第に追い詰められ、知行地の鈴木家に身を寄せるようになり、そして帰農することとなった。
家のものは、遊郭で働きもしたり、困窮を極めた。
本書は、幕末幕臣の史料が少ない中で、偶然にも鈴木家に残された史料をもとに、当時の幕臣の生活を興味深く描いたものである。
内容説明
外国船の来航、長州征伐そして大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に翻弄された幕臣たちの日常を酒依氏の日記から読む。
目次
第1章 御書院番士酒依氏と知行地の村々(酒依氏の歴代当主;酒依氏の屋敷 ほか)
第2章 一二代当主清左衛門の日記から(天保という時代;清左衛門の家族 ほか)
第3章 日々の暮らしの中で(正月を迎えて;酒依屋敷での年中行事 ほか)
第4章 幕末動乱の時代の中で(ペリー艦隊の日本派遣;御書院番頭の上申書 ほか)
第5章 明治維新を迎えて(戊辰戦争の勃発;松山藩士が残した記録から ほか)
著者等紹介
西川武臣[ニシカワタケオミ]
1955年愛知県生まれ。明治大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。博士(史学)。専門は日本近世・近代史。現在、横浜開港資料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はすみ
0
旗本と知行地の関わり合いの様子が知りたくて読んだ。2022/10/14
にきゅ
0
図書館。なかなか面白く読みました。幕末明治維新はドラマなのですが、この歴史のうねりには、翻弄されるしかないですね。2021/09/04
ウドのコーヒー
0
1200石の知行をもつ書院番士酒依氏の文政期からの日記をもとに幕末期の旗本の役務や生活などを描いたもの。領知である知行地の村落の村役人とのやりとりなどを通して、彼等の存在がなければ旗本としての成立(なりたち)もままならないことがうかがえる。この書の記述をみる限り、酒依氏が領知の領民を思いやるというそぶりは見られず、このような旗本領主も多く居たことを、改めて突きつけられたような気がした。2021/08/01
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