出版社内容情報
――今は、さびしさと、友だちになることができるようになってきた気がする。
さびしさもね、マイ・ディア・フレンドなんじゃないのかなって。
小学3年生の若葉くんは、いつも図書室で本を読んでいる。友だちに誘われても、いっしょに遊んだりはしない。だって、ひとりでいるのが好きだから。若葉くんの心のなかには、1本の木が立っている。木には名前はないけれど、たったひとつだけことばを持っている。そのことばは「さびしい」。木がそんな言葉をつぶやきだしたのは、1年前のあの日、エンジェルがいなくなってしまったから……。
さびしさを抱えた少年が、読書を通して友情を育みながら、悲しみを乗り越えていく物語。読者に「友情の尊さ」と「読書の喜び」、「本を通して誰かとつながれること」を伝えます。
【目次】
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- 和書
- お目出たき人 新潮文庫