出版社内容情報
第一作目『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』で好評を博した川上和人先生の著作第二弾。今回扱うトピックは「島での生物進化」。西之島新島の形成からしばらく経ち、島における生物の流入・定着に少しずつ関心が集まっています。島という隔離された環境・・・そこではいったい何が行われているのでしょう? 実はこの「島」という一見特異な環境、私たちの身近な場所にもたくさんあります。いったいどんな場所が「島」なのか? 離島の鳥類を研究する専門家が、実際の経験で感じた「島」という存在。その「島」で繰り広げられる生物たちの動向を、ユーモアあふれる語り口で、軽快に解説。鳥類学者が見つけた「島」という箱庭、そこにはどんな不思議な世界が広がっているのでしょう。
内容説明
島だ!進化だ!鳥類学者だ!!今度は島について考えた!
目次
序 そもそも島は
第1章 島が世界に現れる
第2章 島に生物が参上する
第3章 島で生物が進化を始める
第4章 島から生物が絶滅する
第5章 島が大団円を迎える
著者等紹介
川上和人[カワカミカズト]
森林総合研究所・主任研究員。鳥類学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
修一朗
89
NHKスペシャル南硫黄島特集観ていたら,カツオドリの生活圏を新発見で川上和人さんが登場してビックリ。川上さんの本は3冊目。この本こそが本来鳥類学者として披露したい鳥と島との進化の話だ。川上サンは日本のダーウィンとまでは言わないまでも「ガラパゴス諸島のダーウィン」に対して「小笠原諸島の川上」とまでは言える人なのだった。かっこいい。例によって前置き長すぎオタクギャグ満載の読みにくい文章だけれども充分に面白かった。本編4章の絶滅の話が一興味深い。5ページの「島々」にも「鳥」は入っていないと思うぞ。たぶん。2018/09/17
けんとまん1007
52
動植物だけだなく、島も含めた進化の道筋。面白いことが、たくさん。そこに、どこまでかはわからないが、おふざけ(脱線)の味わいも。言われてみると、不思議なことがあるものだと再認識。2017/08/02
たち
39
鳥類学者の書いた「島の成り立ちと進化」なんて題名だったら、多分、いや絶対読まない。だけど、この題名なら、手に取ってみたくなりました。内容も、難しいところにはマンガやアニメ、映画のネタをちりばめてあって、飽きることなく読む事ができ、大変面白かったです。作者の島に対する愛が溢れる一冊です。2017/08/13
アナクマ
35
理系面白モノカキ研究者として定評のある著者。テーマは島。◉4章_絶滅。外来種駆除の最後の一押しの難しさを「ラーメンの汁に沈むネギを箸で挟むがごとし」と例える。また「日本国内におけるメソプレデター・リリースの好例」としてメイツ星人を紹介。膨大な無駄口が散りばめられるも〈生態系の原理・原則〉をなめらかに教える有能な書。◉専門である鳥類の絶滅事例はこれでもかと語られる。また、普及啓発のためとはいえ〈外来種=悪〉の単純構造を広報してきた過去に対する懺悔もある。どうしても波長が合わないという人以外は読んで損なし。2023/08/24
ロア
35
「プランターに土を入れ、ベランダに置く。なにも植えなくとも、そこにはいつかきっと花が咲く。それは決して雑草ではない。海を越え島に到達した勇者なのだ」不完全島マップと極私的島ガイドSHIMADESUが好き(∩^ω^∩)この本を読んで一番驚いたのが、自分自身が島民だったという事実!大都会東京に住む身でありながら、まさかの島人だったなんて!今までしまびとの自覚ゼロだったので心底驚きました。イギリスの地図とか見ながら、「イギリスはグレートブリテン島だもんね〜。ふふ…」とか思ってたけど、自分だってしまびとだった!2018/04/15