内容説明
ソフトウェア設計の定石集デザインパターン、アジャイルな開発手法XP(エクストリームプログラミング)、知のコラボレーションシステムWiki、半世紀にわたる歴史物語、すべての起源は、建築家アレグザンダーにあった。
目次
パターン、Wiki、XPの起源へ
第1部 建築(クリストファー・アレグザンダーによる美の原理の追及;アレグザンダーの6つの原理;パターンランゲージ ほか)
第2部 ソフトウェア開発(オブジェクト指向;ソフトウェア開発へのパターンの適用;デザインパターン ほか)
第3部 Wiki(HyperCardによるパターンブラウザ;WikiWikiWeb;Wikiモードによるコミュニケーションパターン ほか)
時を超えた創造の原則
著者等紹介
江渡浩一郎[エトコウイチロウ]
1971年生まれ。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。在学中よりネットワークを使ったアート作品を発表。1996年、sensoriumプロジェクトにて「WebHopper」を発表。sensoriumは1997年にアルス・エレクトロニカ賞グランプリを受賞。2005年、仮想生物の制作・共有環境「Modulobe」を発表。現在、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センター研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
逆丸カツハ
22
良い本だった。学生の頃パターン・ランゲージの本を一冊読んでいて、柄谷行人の隠喩としての建築でも触れられているから、クリストファー・アレグザンダーの存在は知っていたが、ここまで今のITの源流に影響を及ぼしていたのかと驚きだった。また関連する本を読みたい。2024/07/28
kumokumot
5
ソフトウェア開発を取り巻く潮流の大きな大きなうねりを感じることができた。個々のプラクティスに目を奪われがちだけど、その根底にある原則、もっと言うと原則を生み出す大きな原則への高い視座を得られた気がする。XPもデザインパターンも改めて歴史を知った上でしっかり学び直したい。会社のwikiももっと生成的であることを意識してメンテナンスしていこうと思った。2022/11/12
たいそ
5
デザインパターン、XP、Wiki を利用するとき、それぞれが何を目指していたのかを知ると、より良い使いかたができるのではないか。「無名の質」、「生成的プロセス」とは何か。歴史をたどる形で構成されているが、歴史をさかのぼる形(著者が Wiki の起源をたどるプロセス)で構成されていたほうがワクワク感があったように思える。2013/05/14
monotony
4
このシリーズなので、がっつり技術書なのかと思いきや歴史書です。建築のパターンからソフトウェアのパターンが生まれ、XPそしてWikiの誕生まで。タイトルと時系列が微妙に違いますが、共通の原則というかルーツが一つということがよくわかります。2016/10/17
orange21
3
刺激的な本。webやプログラミングに建築の手法が用いられていく経緯。ちょっとね、絶対面白いんだけど、中盤以降プログラミングがわからない自分にはわからなくなっていくんで、そこが悔しい。2018/06/22