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出版社内容情報
時空を自在に超えて、いくつものテキストと多様な人物を交錯させ、地上に楽園を求めたジェノヴァ多国籍企業代理人コロンブスの虚実を、破天荒な構想で描く魔術的傑作。
内容説明
時空を自在に超えていくつものテクストと多様な人物を交錯させ、地上に〈楽園〉を求めたジェノヴァ多国籍企業代理人としてのコロンブスの虚実を、破天荒な構想で描く魔術的リアリズムの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saeta
10
南米の小説を久し振りに読もうかと検索していたところ、南米文学最高の名誉と称されるロムロ・ガジェーゴス賞なる物の存在を知りました。この賞を受賞しているバルガス・リョサ『緑の家』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』、フエンテス『テラ・ノストラ』、ボラーニョ『野生の探偵たち』など過去に読んだ事がある作品も多く、翻訳化されているこちらを読んでみました。南米の多く作品と同様、旧世界〜新世界への移動を主軸に据え、主人公であるコロンブスについても人物像やエピソードをかなり飛躍させていたように思うが。2022/05/09
rinakko
2
とても面白かった。が、泥臭さに悪酔いしそうだった。中世スペインの、野蛮で蒙昧な人々の姿。倦むまで貪る官能も凄まじく、何ともいえないおぞましさに満ちていた。不能王の異母妹と王女の継承権をめぐる争いから、イサベル1世とフェルナンド5世の夫婦による共同統治へと至る話、楽園への野望にとり憑かれたコロンの物語。更に、太陽に血を捧げる民族が住むアステカ王国やインカの高官の話…など。イサベルを取り巻く愛憎劇が面白かったので、後半の展開に驚いた。時空を超える航海と新大陸の発見だが、痛烈なコロンブス批判として読めるのだ。2011/10/20
Mark.jr
1
変な感想ですが、全体に漂うエロティックでありながら血の匂いがする祝祭感・酒池肉林感や、ライオンやら牛やらいろんな動物が出て来るところなど、Federico Felliniの映画を彷彿させる小説ですね。2019/04/06