内容説明
封印された歴史、アフリカからの帰還。本作は、1974年にポルトガルで起きた「カーネション革命」直後、植民地アンゴラから本国へ帰還した少年ルイとその家族を描いた物語である。作者のドゥルセ・マリア・カルドーゾ自身もまた、アンゴラからの帰還者の一人であり、永くポルトガルでは封印されていた歴史である「植民地からの帰還者」の問題に文学的アプローチで取り組んだ話題作。
著者等紹介
カルドーゾ,ドゥルセ・マリア[カルドーゾ,ドゥルセマリア] [Cardoso,Dulce Maria]
1964年、ポルトガル北東部トラズ・オズ・モンテス地方生まれ。幼少期をアンゴラで過ごすが、1975年、アンゴラ独立にともない家族とともにポルトガルへ帰国。2001年のデビュー作『血の荒野』で翌年「アコンテセ賞」を受賞し、作家として一躍注目を集める。『私の思い』(2005)でEU文芸賞(2009)を受賞、著作は20カ国以上の言語に翻訳・出版されている。本書『帰還』は2011年に批評特別賞、英語版が2016年に英国PEN翻訳賞を受賞するなど、国内外で広く評価されている。2024年にポルトガルのカーネーション革命から五十年を迎え、本書は再び注目を集めている。現代ポルトガル文学を代表する作家の一人
上田寿美[ウエダトシミ]
1972年兵庫県生まれ。京都外国語大学大学院修士課程修了。京都外国語大学講師。専攻はポルトガル文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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