内容説明
遠い昔、京都の公家屋敷から十巻の巻き物が盗み出され、倭寇の手で中国・明朝第十代の弘治帝の妃に渡された。そこには、日本の戦国時代と思われる数奇な物語が描かれていた。この物語はその冒頭の部分である。物語の中心人物は百合香姫。百合の花のように美しくあれとつけられた名だが、その名よりも更に麗しい姫君となった佳人の生涯。その回りを彩った様々の花と、それを守った人々の数奇で波瀾万丈の物語がここに始まる。
遠い昔、京都の公家屋敷から十巻の巻き物が盗み出され、倭寇の手で中国・明朝第十代の弘治帝の妃に渡された。そこには、日本の戦国時代と思われる数奇な物語が描かれていた。この物語はその冒頭の部分である。物語の中心人物は百合香姫。百合の花のように美しくあれとつけられた名だが、その名よりも更に麗しい姫君となった佳人の生涯。その回りを彩った様々の花と、それを守った人々の数奇で波瀾万丈の物語がここに始まる。