内容説明
日清戦争の時に誕生し沖縄初の外交官となった田場盛義には、三人の妹がいた。静、鶴、英―。三姉妹は、兄を愛し、兄の志を支えながら、沖縄に吹きつづけた風に果敢に立ち向かって生き抜いた。年配の女性が口ずさんだ歌を心に刻んで、かれらの生い立ちと時代の記憶をたどる長い旅が始まる。途切れることのなかった家族の絆。その根っこにあったのは…。
目次
プロローグ 『風』の歌
第1部 田場盛義と三姉妹(琉球世からヤマト世へ―沖縄・浦添当山;沖縄初の外交官誕生―沖縄・恩納;ツルと英の進学―沖縄・那覇 ほか)
第2部 戦争の時代(上海事変と大田實―中国・上海;松岡洋右からの年賀状―中国・上海;鳩間洋服店―満州・新京 ほか)
第3部 戦後を疾走したオナリ(引揚げと家族の安否―鹿児島、沖縄;担ぎ屋―東京、横浜;真の帰還、そして死―横浜 ほか)
エピローグ 思い
著者等紹介
田中水絵[タナカミズエ]
1971年、上智大学ロシア語学科卒業。1993年から94年まで、サハリン州ユジノサハリンスク教育大学に日本語教師として勤務。在留日本人や朝鮮人、研究者やジャーナリストとの交流をまとめ、フリーライターとして活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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