内容説明
第一部「春蝉」221首、第二部「秋日和」314首、第三部「昭和から平成へ」593首、合わせて1128首を収録。歌集のタイトルでもある『春蝉』は、一匹の昆虫に対する鋭い観察力と愛情に溢れた作品。『残光』では、たった一人の姉を癌で失ってゆく過程で必死に看護し祈る妹としての全身全霊が伝わってくる。
目次
第1部 春蝉(母となりし日、明王院(天台宗中国総本山)
良寛の庵
去年逝きし父の墓参、燕、朝の鏡 ほか)
第2部 秋日和(吾子の手、緑蔭、素人のど自慢大会;姑の死、青きびわの実、舅と孫;華燭、歌会で一位になった歌を左に ほか)
第3部 昭和から平成へ(御題「水」、なづな雑炊、雪だるま、花の色;春光、春の落葉、鼓動、庭苔、陶枕、夏の音;無縁仏、華燭、柿の色、子雀 ほか)