内容説明
本書は、豊富な講義経験をもつ著者らが難解とされる統計熱力学を懇切丁寧にまとめた書である。まず、ミクロからマクロへの橋渡しを担う分配関数について解説し、それによって内部エネルギーが与えられること、エントロピーやギブスエネルギーなどの熱力学関数が解明されることを詳しく解説する。そして、理想気体や固体についての統計熱力学的手法から化学平衡への適用、実在気体や液体についての指針にも言及している。コンパクトで、しかもポイントをしっかり押さえている本書は、化学系学生の必携の書といえる。
目次
序章 統計熱力学とその組み立て方
分子のエネルギー準位への配分の仕方
Boltzmannの分布則
分子分配関数―ミクロとマクロを結ぶパラメータ
分子から集合の分配関数へ―区別できる分子と区別できない分子
熱力学関数の集合分配関数に基づく計算式
理想気体への応用(単原子分子;二原子分子;多原子分子)
結晶固体
化学平衡
分子間の相互作用のある系へ
著者等紹介
小島和夫[コジマカズオ]
1951年日本大学工学部(現理工学部)工業化学科卒業。1965年日本大学理工学部工業化学科教授。現在、日本大学名誉教授、工学博士
越智健二[オチケンジ]
1961年日本大学理工学部工業化学科卒。現在、日本大学理工学部物質応用化学科教授、工学博士
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