出版社内容情報
中国人「慰安婦」を描いたドキュメンタリー映画『太陽がほしい』公式本
日本軍による中国占領期間、中国の湖北省では「慰安所」が、山西省には「強姦所」が存在した。班忠義監督は、1995年より80 余名の、慰安婦とよばれた中国人女性たちへの、映像記録を撮りつづけてきた。
長い年月おさえてきた苦い思いを吐きだす苦しみ、その痛みに堪えて彼女たちは証言を行なった。
そのうち7名の中国人女性たちの貴重な証言を中心に、彼女たちを支えた中国人男性の証言、そして中国人女性に強姦を行なった旧日本軍人による証言もまじえ、当時の事実を明らかにすると同時に、戦後も心身の後遺症や周囲の無理解のなかで苦しんできた彼女たちの人生を映しだす。
映画『太陽がほしい』の内容がよくわかる公式本。
1・なぜ、この映画をつくったのか/班 忠義
2・登場人物紹介
3・日中戦争で日本軍が中国でなにを行なったかを時代背景が理解できる年表
4・中国「慰安婦」とよばれる被害事実とその背景
5・この映画の意義/小森陽一(東大教授/9条の会代表)
6・シナリオ抄録
【著者紹介】
映画監督。1958年、中国遼寧省撫順市に生まれる。そこで、戦後日本に帰国できなかった日本人残留婦人と出会い、中国残留婦人問題に取り組み、「曽おばさんの海」(朝日新聞社)を出版。92年、中国人元「慰安婦」万愛花さんと出会い、聞きとり調査をはじめる。99年、ドキュメンタリー映画『チョンおばさんのクニ』(シグロ製作)を監督。07年、ドキュメンタリー映画『ガイサンシーとその姉妹たち』(シグロ製作)を監督。10年、ドキュメンタリー映画『亡命』(シグロ製作)を監督。
内容説明
15年間続いた侵略戦争で、中国大陸の各地で頻発した日本軍による性暴力は、場所も対象も問わずに行なわれた。むき出しの性暴力は、人間の存在を破壊する行為そのものであった。記録映画『太陽がほしい』は、被害者たちの尊厳を取り戻す過程を20年間の歳月を掛けて追い、実録証言で構成した希有のドキュメンタリーである。いま、日本軍の性暴力の深層が証言される!
目次
1 シナリオ 映画『太陽がほしい』(シナリオ 映画『太陽がほしい』;映画に登場する主な人物;中国人元「慰安婦」に関する年表;日本軍「慰安婦」問題関連年表;用語解説)
2 特別寄稿 映画『太陽がほしい』をどう観るか(中国人「慰安婦」被害者一人ひとりに向き合うこと(川上詩朗)
戦争裁判の法廷に届かなかった被害者証言(内海愛子)
一人ひとりの記憶に刻むために(小森陽一))
著者等紹介
班忠義[ハンチュウギ]
ドキュメンタリー映画監督。1958年、中国・撫順市生まれ。黒竜江大学卒業。上智大学大学院修士課程修了。戦後日本に帰国できなかった日本人残留婦人と出会い、中国残留婦人問題に取り組む。1992年に『曽おばさんの海』(朝日新聞出版)を出版し、第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞を受賞。同年、中国人元「慰安婦」万愛花さんと出会い、聞き取り調査をはじめる。1995年に中国人元「慰安婦」を支援する会を発足(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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