目次
第1章 アフリカの「世界大戦」を生きる子どもたち
第2章 ぼくたちの村で起こった紛争
第3章 平和だった頃のぼくらの村
第4章 ぼくたちの村に白人がやってきた
第5章 資源の奪い合いがはじまった
第6章 ぼくたちの村と心は分断された
第7章 ぼくたちの村で戦争がつづく理由
第8章 欧米中心の世界のなかで
第9章 アフリカの平和のために私たちにできること
著者等紹介
小川真吾[オガワシンゴ]
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス理事長。1975年和歌山県生まれ。学生時代、カルカッタでマザーテレサの臨終に遭遇したのをきっかけに、マザーテレサの施設でボランティア活動に参加。国際協力やNGOの活動を本格的に始める。大学卒業後は、青年海外協力隊員としてハンガリーに派遣され、旧ユーゴ諸国とのスポーツを通した平和親善活動などに取り組む。帰国後、カナダ留学を経て国内のNGOでパキスタンでの緊急支援、アフガニスタンの復興支援活動などに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
294
著者の小川真吾氏は特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスの理事長。とはいっても、まだ若く本書の出版当時(2012年)37歳である。本書ではコンゴを中心にスーダン、ウガンダ、ルワンダが抱える問題を歴史的にも(奴隷貿易時代から)、また現在のアフリカが抱えさせられていることがらの持つ構造的な意味を明らかにしてゆく。ヨーロッパ諸国によって植民地化されたアフリカ諸国、そして戦後の相次ぐ独立後も続く絶え間のない紛争。それらの根幹的な原因をこれほどわかりやすく解き明かしたものはめったに見当たらないと思われる。強推薦!2024/11/19
Y2K☮
44
人間やめたくなる。文明の使者? 教化? エゴを美化してるだけ。こんな幼稚な理屈で己を正当化して疑わぬ単細胞こそ先進国の正体。都会に生きる真の野蛮人。ルワンダのジェノサイドもコンゴの内戦もヨーロッパ人の欲望が招いた様なもの。でも彼らは植民地支配にも奴隷貿易にも謝罪をしない。悪いとすら考えない。自分達だけは許されるという勝手な思い込み。「津波で我欲を洗い流せ」と言いつつ海外出張や身内のプロジェクトに前都知事以上の税金を浪費していた某氏を思い出す。人類最大の敵、それは知恵と富に溺れて愚者へ堕ちたと気づかぬ傲慢。2016/08/05
ちゃんみー
22
YouTubeで原貫太くんがアフリカにまつわる問題を取り上げていて、その中で紹介されていた本です。アフリカって昔も今も発展しないよなー、紛争ばかりで何やってんだろー、なんて思っていました。今もそう思っています。これ読んでると、西欧諸国に搾取されるばかりで、この先も変わんないかもしれんぞ、と感じちゃいます。間接的に日本も搾取する側らしいので、なんとかせんとあかんぞ!ってことですが、はてさてどうしたものやら。2023/07/27
ゆう
15
タイトルどおり「なぜアフリカに戦争がなくならないのか」の理由が、世界情勢を含めて、とても分かりやすく書かれています。遠い国のおはなしで、平和な日本に暮らしていると余計に、分かりづらい部分もありますが、「読めるところだけでも読んでみて」と中学生に薦めたい本。突き詰めていくと、私たち日本人の暮らし方もアフリカの戦争と無関係でないということもわかります。もっと知りたいと思わされました。2013/02/19
ののまる
14
8章までは、もうこの問題の複雑さと、奴隷貿易から始まる歴史的な根の深さに溜息しか出ない。。。9章になって、私たちができることについて、改めて希望と責任感が湧いてきます。私たちの力は微力だけど「無力」ではない。日本の一人一人の消費行動と企業の経済活動は、アフリカの問題と全く無関係ではない、ということをいつも頭に入れて生活(消費)すること。私たち日本人の一人あたりの年間エネルギー消費量は、コンゴ人の209年分(アメリカ人は418年分以上)。このエネルギー消費を維持するための資源争奪戦は奴隷貿易時代と同じ構図。2016/05/27