内容説明
昆虫の中でも、小型の蚊には1秒間に1000回も羽ばたけるものがいます。なぜこれほど速く羽ばたけるのでしょうか。その秘密は、昆虫のもつ特殊な筋肉にあります。本書では、筋肉の構造と働きを通して、昆虫たちのもつ優れた能力の秘密に迫ります。
目次
1章 昆虫はすごい能力の持ち主だ
2章 まずは人間の筋肉を知る
3章 筋肉をつくっているタンパク質とは
4章 骨格筋は、どうやって縮んだり緩んだりするか?
5章 昆虫の筋肉は全部横紋筋だ
6章 高機能の羽ばたきの秘密
7章 X線で非同期型飛翔筋の構造を調べる
8章 羽ばたき中の飛翔筋内の分子の動きを探る
9章 昆虫の筋肉は体温調節にも使われる
10章 昆虫の筋肉は鳴くためにも使われる
11章 アリ―小さな体に秘められたパワー
著者等紹介
岩本裕之[イワモトヒロユキ]
1955年大阪府生まれ。1983年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、理学博士。現在、公益財団法人高輝度光科学研究センター勤務。神戸大学大学院自然科学研究科客員教授(兼任)。専門分野:X線回折学、生物物理学、動物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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四不人
1
生きた筋肉をX線解析できるとは思わなかった。しかしあのラウエから構造が読み取れるってのはスゴいなあ。鳴く為の筋肉が飛翔筋由来だとか、非同調筋の仕組みがまだよく判らんとか魅力的な話。それにしてもアクチンとミオシンの相互作用で力が生まれると思っていたんだが、弾性蛋白の寄与が大きいのな。教科書的な事でも「ふ〜ん」と思っちゃう。知識が足らんなあ。2020/03/21
miyamo
0
とてもわかりやすく面白かった。2019/11/09
mame0729
0
著者はSPring-8の研究者です。最初の30ページほどは高校生物で扱う内容が書かれているので、一般の方も読みやすいと思います。著者自身の研究である昆虫の飛翔筋の構造の解説がメインで、他に顎の筋肉や音を出すための筋肉について触れています。知らないことが多く、とても面白かったです。(2019年発行)2019/10/11