出版社内容情報
フランスの幻覚は,エスキロール以来妄想との関連が,論議されてきた。エーに至って,患者が異常と気づいている幻覚すなわち幻覚症エイドリアと,患者が批判を欠く幻覚すなわち妄想的幻覚とに分けられた。
以上,本巻は,原著の総論部分にあたるもので,エーの器質力動論見地からの幻覚論の骨子が骨太な論理構成によって述べられており,原著のなかでもきわめて重要な部分となっている。その理論は,神経生理学,神経心理学,現象学,実存主義,構造主義,ポスト構造主義,精神分析理論など,広範な方法論を取り入れ,弁証法的に統合した壮大なものであり,また臨床に裏付けられた矛盾のない総合的概念化を目指したものである。
アンリ・エー[アンリエー]
宮本 忠雄[ミヤモトタダオ]
小見山 実[コミヤマミノル]
影山 任佐[カゲヤマジンスケ]
古川 冬彦[フルカワフユヒコ]