内容説明
本書は、集団精神療法について学び、それを実践しようとする人に向けたテキストである。どこから学べばいいのかわからない、何を実践すればいいのかわからない、そういった方に向けて、グループというものの概論から、臨床での使い方までを網羅的に解説した。いま、一昔前とは比べものにならないほどの情報にさらされ、自ら選択せねばならない状況にある。そういう中で、心理療法はさまざまな場面での効率化がはかられ、また、求められてもいる。集団精神療法は実に活用範囲の広いものであり、効率的な実施形態として、選択されることが多い。だが、効率性以上に、グループの中に入り、そこでの体験を通して自分と他者、そしてその関係についてじっくり考えることが、この時代だからこそ意味のあるものだと考えるのである。本書は「総論編」のため、さまざまな理論に基づく技法について詳しくは触れていない。だが、日々の臨床にある「グループ」を振り返ったり、少しずつでもグループを取り入れていくヒントになるだろう。
目次
序章 本書のねらい:日本における集団精神療法の現状を踏まえて
第1章 グループの始め方・進め方
第2章 グループの活用方法(大グループ;力動的集団精神療法;心理教育グループ;サポートグループ)
第3章 グループの研修(理論学習;体験グループ;シパービジョン;事例検討)
著者等紹介
西村馨[ニシムラカオル]
国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科教授。東京大学教育学部卒業、国際基督教大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学学生相談所助手(カウンセラー)、国際基督教大学教養学部助教授を経て、2022年より現職。臨床心理士、公認心理師、日本集団精神療法学会認定スーパーバイザー
岡島美朗[オカジマヨシロウ]
自治医科大学附属さいたま医療センターメンタルヘルス科教授。山梨医科大学医学部卒業、自治医科大学大学院地域医療系卒業。自治医科大学精神医学教室講師、自治医科大学附属病院緩和ケア科准教授を経て、2015年より現職。医師、医学博士、公認心理師、日本集団精神療法学会認定スーパーバイザー
関百合[セキユリ]
クボタ心理福祉研究所・錦糸町カウンセリングルーム所長。日本大学文理学部心理学科卒業、五和貴診療所、葛飾橋病院勤務後英国に留学。Goldsmiths College London,MA in Group Psychotherapy、University College London,MSc in Medical Anthropology,WPF London,Group Analytic Psychotherapist取得。東京国際大学大学院臨床心理学研究科博士課程(前期)修了。臨床心理士、公認心理師、日本集団精神療法学会認定スーパーバイザー、Group Analytic Society International正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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