内容説明
クラカウアー、ベンヤミン、アドルノは、映画とは何かよりはむしろ、映画は「何をするのか」という問いを立てる。いまだに予感しえない未来を生じさせる試みのなかで、映画という媒体、そして映画館という場がもつ可能性を追究する。映画を観る公衆の生きた経験についての思考を、批判理論と映画の交点で炸裂させる。
目次
第1部 クラカウアー(映画―崩壊していく世界の媒体としての自然;奇妙なアメリカニズム)
第2部 ベンヤミン(アクチュアリティ、さまざまなアンチノミー;アウラ―ある概念の我有化 ほか)
第3部 アドルノ(映画美学という問題)
第4部 亡命時代のクラカウアー(映画の理論)
著者等紹介
ハンセン,ミリアム・ブラトゥ[ハンセン,ミリアムブラトゥ] [Hansen,Miriam Bratu]
1949年生まれ。フランクフルト・ゲーテ大学でアメリカ文学を専攻。エズラ・パウンド研究で博士号を取得後、渡米。イェール大学およびラトガース大学で教鞭をとり、1990年よりシカゴ大学英文科教授。映画メディア研究科の創設に尽力する。フランクフルト学派とメディアに関する研究を精力的に発表するかたわら、初期映画や映画とモダニティをめぐる論考を幅広く執筆。2011年2月に逝去
竹峰義和[タケミネヨシカズ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は、ドイツ思想史、映像文化論。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授
滝浪佑紀[タキナミユウキ]
1977年生まれ。シカゴ大学映画メディア研究科博士課程修了。専門は、サイレント映画研究、メディア論。東京大学大学院情報学環特任講師、特任准教授をへて、現在、城西国際大学メディア学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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