内容説明
「精神療法」での連載の単行本化。著者が臨床の場で学んできたことを通じて「個人心理療法」の技能の内実、有効性、価値を問い直す。日々の臨床は思い描くように進むものではない。いままでの心理療法は「ユーザーをどう理解するか」に重きが置かれることが多く「ユーザーにどのように還元していくか」にはあまり触れられてこなかった。臨床において、援助者側の豊富な“スキル”をユーザー側のニーズに合致した支援となるよう、フルレンジで活かすために「クライエント・センタード的な介入姿勢をベースとして、事を力動論的な視点から考えていく」タイプの心理療法を改めて考える。「失敗から学ぶこと」「いま目前にある失敗を修正すること」「ユーザーから学ぶこと」、この3つは著者の臨床家としての姿勢である。読者が蓄えたいままでの経験と合わせて読み進める内に、自然と著者の臨床観に引き込まれ、いくつもの気づきを得ることができるだろう。
目次
個人心理療法の危機をめぐって
治療契約について
初回面接の眼目
初回面接の実際
アセスメント面接
治療構造について―頻度への着目
支持的心理療法
探索的心理療法
マネジメントにもとづく心理療法
日本流心理療法再考
オンラインセラピーをめぐって
精神分析的心理療法における終結について
個人心理療法Q&A
著者等紹介
上田勝久[ウエダカツヒサ]
1979年三重県伊賀市に生まれる。2018年京都大学大学院教育学研究科臨床実践指導者養成コース修了(教育学博士)。現在、兵庫教育大学大学院臨床心理学コース准教授。臨床心理士・公認心理師。受賞、日本心理臨床学会奨励賞(2015)、日本精神分析学会山村賞(2015)、京都大学大学院教育学研究科長賞(2016)、三好暁光学術奨励賞(2017)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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