内容説明
本書の最大の特徴は、専門家がDVを生き延びた被害女性に対して、見下した態度や忍耐力の欠如は禁物であることと敬意をもって接することの重要性を主張していることだ。さらに被害者である母親を家族の安全と安心の実現を図るチームの一員として位置づけることは、結果としてDVにさらされた子どもへの支援につながると言う。
目次
第1章 ドメスティック・バイオレンスの加害者とは?
第2章 「力」を行使する親―加害者の子どもへのかかわり方
第3章 衝撃波―加害者が家族に及ぼす影響
第4章 近親姦を犯すDV加害者
第5章 回復を阻害するもの―親権および面接交渉権の訴訟における加害者
第6章 親としての加害者をめぐる誤解―広く普及しているアセスメント理論への批判
第7章 回復への支援―加害者が子どもに与えるリスクの評価と面会プランの設定
第8章 変化は本物か?―親としての加害者の変化を評価し促進する
第9章 親としての加害者のあり方について専門家の対応を改善する
著者等紹介
バンクロフト,ランディ[バンクロフト,ランディ] [Bancroft,Lundy]
2000件以上ものDV加害者のカウンセリング経験をもつコンサルタント。DVのある家庭に育った10代の少年を対象にしたグループ治療を行うほか、親権評定や児童虐待の調査などにも精力的に関わる。専門誌への執筆のほか、著書はベストセラーとなっている
シルバーマン,ジェイ・G.[シルバーマン,ジェイG.] [Silverman,Jay G.]
発達心理学者。ハーバード大学公衆衛生学部助教授、同大学公衆衛生臨床学科暴力防止プログラム・ディレクターを経て、現在はカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部国際公衆衛生担当教授。臨床家として加害者カウンセリングに携わるほか、ジェンダー差別に基づく女性への暴力についての大規模な国内および国際調査を行う。研究テーマは若者のデートにおける暴力、DV加害男性による児童虐待、親権訴訟における被害女性の経験など多岐にわたる
幾島幸子[イクシマサチコ]
早稲田大学政治経済学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。