出版社内容情報
「不登校」という現象は,子どもの表れの多様化と,その変化に柔軟に対応できない教育システム,家庭の支持機能の低下などを背景にして,近年さらに複雑になっている。
不登校の診たてに操作的診断(ICD, DSM)が役に立つことは稀であり,支援についても,有用なガイドラインやアルゴリズムが存在しているとは言い難い状況にある。したがって,個々のケースを適切に診たて,支援していく際には,治療者がこれまで培ってきた臨床力が問われることになる。筆者は,「先人の教えや自らの経験を積み重ねて,『常識的な診たてや支援方法』を身につけ,それを骨格にしながら,個々のケースは『応用問題』として柔軟に対応していくことを心掛けている」と述べている。
本書は,児童精神科臨床を主なフィールドとし,子どもの支援を実践してきた筆者が,自身の臨床経験をベースに,子どもや保護者への具体的な言葉のかけ方などをふんだんに盛り込んだ,不登校支援の集大成とも言える一冊である。医療現場のみならず,相談機関や学校など,さまざまな場で不登校の子どもたちを支援する方たちの役に立ってくれるであろう。
付章として,児童精神科臨床における初回面接の要点がまとめられている。言うまでもなく,初回面接は,その後の治療の展開を大きく左右する極めて重要なセッションである。多くの臨床家に参考にしていただきたい。
山崎 透[ヤマザキ トオル]
著・文・その他
内容説明
本書は、児童精神科臨床を主なフィールドとし、子どもの支援を実践してきた筆者が、自身の臨床経験をベースに、子どもや保護者への具体的な言葉のかけ方などをふんだんに盛り込んだ、不登校支援の集大成とも言える一冊である。医療現場のみならず、相談機関や学校など、さまざまな場で不登校の子どもたちを支援する方たちの役に立ってくれるであろう。
目次
序章
第1章 不登校の診たて・諸段階・長期経過
第2章 支援の要点
第3章 初回面接の要点
第4章 学校との連携
第5章 初診以後の子どもとの面接
第6章 初診以後の保護者面接
第7章 発達障がい児の不登校支援―自閉スペクトラム症を中心に
第8章 入院治療
付章 児童精神科臨床における初回面接の要点
著者等紹介
山崎透[ヤマザキトオル]
1986年山形大学医学部卒業。山形大学医学部精神医学教室。10月南陽市立総合病院精神科。1988年二本松会山形病院。1990年国立精神・神経センター国府台病院児童精神科。1998年静岡県立こころの医療センター。2008年静岡県立こども病院こどもと家族のこころの診療センター。現職:地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立こども病院こころの診療センター長。資格:医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本児童青年精神医学会評議員・認定医、子どものこころ専門医、全国児童青年精神科医療施設協議会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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