出版社内容情報
もし,患者が「アルコール依存」より「シラフ」の生活の方がより良いものと感じることができたら―。それは患者にとって幸福な人生につながる道となり,治療者にとって格別な有用感のもてるセラピーとなるだろう。コミュニティ強化アプローチ(Community Reinforcement Approach:CRA)は,そうした哲学から生まれた物質使用問題のための画期的な治療法である。回復過程にある患者に,自身がかかわる社会,娯楽,家族,職業などの因子を媒介させ,シラフの生活が豊かで実り多いものと感じさせながら,自らの力で変わろうとする意欲を引き出す。それは,治療におけるこれまでの問題志向から解決志向への転換である。17年にわたり,仔細なエビデンスに基づいて確立された理論と手法が本書に収められた。CRAに関する確かな知識,構造的な手順の解説,治療のプロセスをとおしてCRAの治療的介入を鮮明かつ詳細に示した多くの事例―。精神科医,内科医,看護師,カウンセラー,ソーシャルワーカーなど広く治療提供者にとって学びやすく採用されやすい内容となっている。本邦初のCRAの成書として翻訳された一冊。
ロバート・J・メイヤーズ[ロバートジェイメイヤーズ]
ジェーン・エレン・スミス[ジェーンエレンスミス]
吉田 精次[ヨシダ セイジ]
境 泉洋[サカイ モトヒロ]
渋谷 繭子[シブタニ マユコ]
内容説明
もし、患者が「アルコール依存」より「シラフ」の生活の方がより良いものと感じることができたら―。それは患者にとって幸福な人生につながる道となり、治療者にとって有用感のもてるセラピーとなるだろう。そんな画期的な治療法「コミュニティ強化アプローチ」(CRA)の理論と手法をまとめた、あらゆる治療提供者への手引書。CRAの成書としての初邦訳。
目次
第1章 コミュニティ強化アプローチの歴史
第2章 CRAアセスメント
第3章 試験的断酒
第4章 CRAにおけるジスルフィラムの使用
第5章 CRA治療計画
第6章 行動スキル・トレーニング
第7章 さらなるCRAテクニック
第8章 社会的および娯楽カウンセリング
第9章 CRA夫婦セラピー
第10章 CRA再発防止
第11章 全体像
著者等紹介
吉田精次[ヨシダセイジ]
1981年、徳島大学医学部卒。2001年から藍里病院にてアルコール依存症治療、2007年からギャンブル依存症治療を開始。日本アルコール関連問題学会・評議員、徳島県断酒会・顧問、徳島アルコール関連問題研究会・代表、徳島ギャンブル問題を考える会・世話人、徳島自殺予防面接技法研究会・世話人、徳島ダルク後援会・会長
境泉洋[サカイモトヒロ]
1976年、宮崎県生まれ。1999年、宮崎大学教育学部卒。2005年、早稲田大学博士(人間科学)。臨床心理士。現職、徳島大学大学院総合科学研究部准教授。日本認知・行動療法学会事務局長、徳島県青少年健全育成審議会副会長、NCNP精神保健研究所薬物依存研究部客員研究員、KHJ全国ひきこもり家族会連合理事、行動療法研究常任編集委員、認知療法研究常任編集委員、雑誌「臨床心理学」編集委員
渋谷繭子[シブタニマユコ]
2004年より翻訳を開始。医療関連書籍・学術論文をはじめ、ホームページやカタログなど企業活動に関わる翻訳から政府刊行物など多岐にわたる分野の翻訳を手掛ける。在米歴5年、TOEIC920、英検1級(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。