内容説明
本書は40年以上にわたり統合失調症とつきあい、その中の10年間は病院で暮らし、思い切って意見を述べたり、個人の権利を主張したりすることがいかに難しいことかを身をもって経験した著者が、いろいろ試してきたアイデアをまとめた本である。「すべての人に新しい方向性を選ぶ権利がある」のに「これまでと違った見方をすることは、たいてい簡単に否定されてしまう」と著者は言う。人は誰しも前へ進む力がある。困難な壁を前にしても、何度でも立ち止まり、考え込んでは話し合い、後戻りをしては信念を貫き、実現を目指す大切さを実感していただきたい。この本にはそのためのヒントがたくさん詰まっている。
目次
背景
何が、問題なのか?
パートナーシップ
エンパワメント
アドボカシー
参加
成功しているコンシューマー組織
訓練
リハビリテーション、リカバリー―自己決定を通して
何が、答えなのか?
パートナーとしてのコンシューマーとは?
それは失敗?それとも、チャンス?
あなたがやっていることは、私にはできません!
あなたのことを何と呼んだらいいでしょうか
著者等紹介
マアー・A.M.,ジャネット[マアーA.M.,ジャネット] [Meagher A.M.,Janet]
1970年前半統合失調症を発症して以来、精神障害や精神保健福祉にまつわる問題を抱えながら生きる人々が社会の一員として尊重される世の中を願うようになった。コンシューマーとケアラーが真の意味で参加しパートナーシップが結べるようになることを己の責務とし今も活動している。元オーストラリア精神保健委員会委員(2012~2013)。世界精神保健連盟の理事、後に名誉幹事を務め、いくつかの精神保健コンシューマー組織の創立や後援にも携わった。現在も国際的なコンシューマーリーダーとして活躍中
野中猛[ノナカタケシ]
1951年栃木県生まれ。1976年弘前大学医学部卒業。民間病院を経て、1988年より埼玉県立精神保健総合センターにて、社会復帰や地域精神保健にかかわる。2001年より日本福祉大学社会福祉学部保健福祉学科教授。主に精神障害リハビリテーションやケアマネジメントを担当。2005年に英国ケンブリッジ地域のNHSトラストに留学。2009年より日本精神障害者リハビリテーション学会会長。2013年7月ご逝去
山本和儀[ヤマモトカズヨシ]
精神科医、博士(医学)、労働衛生コンサルタント。熊本大学医学部卒業後、オーストラリア・メルボルン大学留学、琉球大学医学部精神神経科講師を経て、EAP産業ストレス研究所・山本クリニックを開設し、現在所長と院長兼務。この間、世界精神保健連盟(WFMH)の活動に参画し、2001~2004年理事・副会長、現在はWFMH終身会員・日本支部副会長
栄セツコ[サカエセツコ]
精神保健福祉士。国分病院(大阪府)、東京武蔵野病院(東京都)、大谷女子大学(大阪府)等を経て、桃山学院大学社会学部(大阪府)教授として勤務
平田はる奈[ヒラタハルナ]
精神保健福祉士。河渡病院(新潟県)、さわ病院(大阪府)、三家クリニック(大阪府)等を経て、現在、特定非営利活動法人地域生活サポートまいんど地域生活サポートセンターとらいむ(神奈川県)に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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