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出版社内容情報
精神分析的心理療法の経験をもとに,統合失調症臨床の課題を解説。胎生期心理学から土居の甘え理論,ヤスパースの了解論にまで論究。
現代においても,統合失調症の本態解明は依然困難な研究課題である。
本書は,長年精神科診療に携わってきた著者が,統合失調症的パーソナリテイを持つ症例の精神分析的治療経験に基づき構築した,その発生メカニズム仮説を提起している。
フロイトにとって曖昧であった原初のエロスを,「二重関係性」の観点から捉え直し,心的装置の「無底」を明らかにし,「胎生期からの心身発達理論」を展開している。これは,生物学的研究による胎生期の神経発達障害論,安永浩の「ファントム空間論」,バリントの基底欠損論,ビオンの精神分析理論とも見事に符号する。
また,著者の豊かな臨床経験からにじみ出る言葉は,精神科全般にわたり,病態の根本的把握,患者の気持ちの理解と受容,心の交流を持つための面接技法などの臨床的知見を提示しており,これからの精神科治療に携わる方々への優れた臨床指導書となるだろう。
第1章 胎生期心理学序説
第2章 症例N:ナルシシズム的構造体と精神病的パーソナリティ
第3章 症例Sの前篇:原始的防衛機制
第4章 症例Sの後篇:胎生期の再構成
第5章 統合失調症の精神分析理論
第6章 統合失調症の治療論
第7章 甘え理論の再構築
第8章 ヤスパースの了解心理学批判
第9章 統合失調症の心身問題
第10章 パラノイアの精神分析理論
第11章 神話的思考と精神分析――スサノヲコンプレックス論
【著者紹介】
●□著者略歴
中野幹三(なかの かんぞう)
1973年 東京大学医学部卒
1974年 東京大学医学部附属病院内科
1976年 東京大学医学部附属病院分院神経科
1979年 帝京大学医学部精神神経科助手
1981年 聖路加国際病院精神科医長
1996年 九段中野クリニック院長(現) 医学博士
内容説明
本書は、長年精神科診療に携わってきた著者が、統合失調症的パーソナリティを持つ症例の精神分析的治療経験に基づき構築した、その発生メカニズム仮説を提起。フロイトにとって曖昧であった原初のエロスを、「二重関係性」の観点から捉え直し、心的装置の「無底」を明らかにし、「胎生期からの心身発達理論」を展開。また、著者の豊かな臨床経験からにじみ出る言葉は、精神科全般にわたり、病態の根本的把握、患者の気持ちの理解と受容、心の交流を持つための面接技法などの臨床的知見を提示しており、これからの精神科治療に携わる方々への優れた臨床指導書となるだろう。
目次
第1章 胎生期心理学序説
第2章 症例N:ナルシシズム的構造体と精神病的パーソナリティ
第3章 症例Sの前篇:原始的防衛機制
第4章 症例Sの後篇:胎生期の再構成
第5章 統合失調症の精神分析理論
第6章 統合失調症の治療論
第7章 甘え理論の再構築
第8章 ヤスパースの了解心理学批判
第9章 統合失調症の心身問題
第10章 パラノイアの精神分析理論
第11章 神話的思考と精神分析―スサノヲコンプレックス論
著者等紹介
中野幹三[ナカノカンゾウ]
1973年東京大学医学部卒。1974年東京大学医学部附属病院内科。1976年東京大学医学部附属病院分院神経科。1979年帝京大学医学部精神神経科助手。1981年聖路加国際病院精神科医長。1996年九段中野クリニック院長(現)。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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