出版社内容情報
10世紀以降、中央政府による城柵を拠点とした支配が崩れ、安倍・清原氏ら在地豪族が台頭する。現地の紛争に端を発した前九年・後三年合戦は、清和源氏を交えた全面戦争へ発展。平泉政権の誕生前夜、激動の東北を描く。
内容説明
一〇世紀以降、中央政府による城柵を拠点とした支配が崩れ、安倍・清原氏ら在地豪族が台頭する。現地の紛争に端を発した前九年・後三年合戦は、清和源氏を交えた全面戦争へ発展。平泉政権の誕生前夜、激動の東北を描く。
目次
序 前九年・後三年合戦の時代
1 城柵制支配の廃絶と北の境界世界
2 奥六郡と安倍氏
3 出羽山北三郡と清原氏
4 安倍・清原氏と仏教
5 前九年合戦
6 後三年合戦から平泉開府へ
著者等紹介
樋口知志[ヒグチトモジ]
1959年東京都に生まれる。1987年東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得中退。北海道教育大学旭川校助教授等を経て、岩手大学人文社会科学部教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金目
3
主に前九年合戦と後三年合戦のあらすじ把握に一読。源氏、安倍氏、清原氏が奥羽を舞台に表裏合わせて争いを繰り広げ、残ったのが奥州藤原氏であったということ。源氏視観とか藤原氏よりの資料とかで曖昧模糊としているけれど、この本で概ねの事実関係は把握できた気がする。しかし源氏視観的な見方って長い間相手にされてなかったのに、明治後期から急に国に採用されたということで、当時はまだまだ東北は叩いて良いという風潮あったのかなぁ2023/12/02
天茶
1
読みかけ25p
keint
1
まずは、北東北の地理(いわゆる奥六郡や出羽山北三郡)、仏教文化の普及過程の解説から始まり、その後前九年・後三年戦争について触れられる。 全体的に、文献史料だけではなく、考古学の発掘成果や知見を交えて解説していたため、とても説得力のある内容であった。 安倍氏、清原氏は完全な蝦夷ではなく、中央貴族と地元豪族との混血であるということは初めて知った。 また、後三年戦争は清原氏の後継者争いだけではなく、河内源氏と大和源氏の権力闘争でもあったという点は新しい視点であった。2019/06/06
urokogumo
1
地元の郷土史に関心があったので通読。「源氏史観」にとらわれると、安倍・清原氏についてや、前九年・後三年の役の意義について妥当な理解は成し得ないということ。藤原清衡がなぜ清原氏において養育されたのか等々、自分が疑問に感じていた事についての知見があり興味深かった。 今後さらなる発掘調査が進み古代東北の歴史が明らかになっていくことを期待したい。2017/11/08