内容説明
本書は、精神分析療法と森田療法について幅広い知識と豊富な経験を持つ著者の臨床的研究の成果が盛り込まれた最新の論集である。前半では、精神医学における精神療法の潮流、多様な病態の相互関係を対象関係論を用いて解き明かし、精神療法のあり方を思考していく中で、個人精神療法、グループワークや社会療法の必要性が論じられ、後半では、摂食障害、境界性人格障害、強迫性障害、解離性同一性障害、社会的ひきこもり、性同一性障害といった病態についての理論と治療技術が解説される。
目次
第1部 精神療法を考える―精神分析・森田療法・精神医学(この100年の精神療法は何だったのか;精神科臨床の今後を考える―DSM診断がもたらしたもの;現代精神医学と精神分析;攻撃的衝動行為の精神病理 ほか)
第2部 思春期精神疾患の臨床(対象関係論からみた新たな精神障害と境界喪失;境界性人格障害治療の歴史的展望と現状;強迫性障害の肛門性愛論は今もなお有効か;最近のひきこもりをどう考えるか ほか)
著者等紹介
牛島定信[ウシジマサダノブ]
1939年福岡県に生まれる。1963年九州大学医学部卒業。1973年ロンドン大学精神医学研究所留学。1974年福岡大学医学部(精神医学教室)。1991年東京慈恵会医科大学教授。日本森田療法学会理事長、日本児童青年精神医学会理事長、日本サイコセラピー学会理事長、日本精神分析学会元会長(1期3年)、日本精神神経学会元副理事長(1期3年)。専攻は精神医学、精神療法学(精神分析、森田療法)
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