内容説明
フロイト以来、母子関係は精神分析の文脈でさまざまに論じられてきたが、本書で提示される「母子画」は、それを具体的な描画の形に投影させ、査定と解釈に臨床的に応用しようとするものである。著者は精密な理論的裏づけとともに投影技法としての基礎研究をも示した上で、数多くの事例を提示し、この技法が母子関係の理解と解釈のみならず、転移と逆転移を含む二者関係に迫るためにきわめて有用であることを明らかにしている。
目次
第1章 母子画を考えるための背景理論
第2章 母子画の調査研究における問題点
第3章 アートが治療者に与える衝撃:転移と逆転移の問題
第4章 母子画の施行と解釈:発達からの見解
第5章 臨床における重要点
著者等紹介
松下恵美子[マツシタエミコ]
香川短期大学幼児教育学科助教授、臨床心理士、日本心理臨床学会員、日本描画テスト・描画療法学会員、日本乳幼児医学心理学会員
石川元[イシカワゲン]
香川医科大学教授、日本描画テスト・描画療法学会理事
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