内容説明
本書は精神医学の視点から、主に児童虐待というトラウマを経て成人となった人々、いわゆる“サバイバー”に対する治療の枠組みを提案したものである。児童虐待の実態と、それがもたらすさまざまな精神症状並びに生きる上での困難を統計資料によって明らかにし、虐待を受けた子ども、虐待体験を抱えた成人、さらに虐待加害者への精神科領域での治療・援助の方法を、詳細な事例を挙げて多角的に提示する。
目次
第1部 総説(児童虐待というトラウマ;被虐待児の情緒と行動;児童期性的虐待について ほか)
第2部 事例と対応(私の出会った子どもたち;小児科医療からみた児童虐待;児童虐待事例への介入―弁護士の立場から ほか)
第3部 治療(トラウマを受けた児童への治療的接近―ポストトラウマティック・プレイセラピーを中心に;児童虐待と多重人格性障害;児童虐待後遺症者の診断と治療 ほか)