内容説明
本書はフランスに16年滞在してラカンを研究する京大出身の著者が、無意識の言語構造と対象(a)に焦点を当てて、わかりやすく説いた本邦初の解説書である。ラカンが難解な理由の一つは、理論が時代によって変り、ある時期の概念に沿って別の時期の論文を読むと、辻棲が合わなくなるからだ。そう説く著者は、歴史的方法によって、ラカンの『セミネール』や『フロイト草稿』をもとにラカンを論じている。
目次
第1部(鏡と時間;隠喩、換喩;欲望)
第2部(精神分析の倫理;同一化と対象(a)
精神分析の四つの基本概念)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
51
著者は本場フランスでラカン派精神分析を長年学んだ人で、この本はこれまでラカンは現代思想がらみで論じられることが多い日本の著作と異なる。奇妙な題名は、ラカンは約30年の間に彼が使う同じ用語・概念の意味が変化していて、それが彼の思想の難解さの原因の一つであり、どう変わったのかを論じる意図があるのだという。この旧版を図書館で借りて読んでいるがなかなか難解だが面白い。この本は評判を聞いていて絶版でなかなか入手が難しかったが、最近になって、ちくま学芸文庫で題名変更して(ラカン入門)増補改訂版がでている。2016/11/15
へっくしょん
1
こういう本がなんで絶版なんだろ。ラカン関連じゃ一番いい橋渡し的解説書だと思うけど。安く手に入ればラッキーですよ。
さのばび
0
難しい2014/12/18
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- 洋書
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