内容説明
多くの人びとは生活の中で、「季節」をより身近に感じている。本書が「季節」の記述に重点を置いたのは、そのためである。とくに季節変化に富む日本では、生活と文化の中に、「季節」が深く、あるいは微妙に投影している。そうしたものにも、本書では触れてみた。多くの場合、気候は平均値で表現される。しかし実際に人びとの関心が向けられるのは、平均値からいちじるしくかたよった気候のことが多い。本書では「季節はずれの気温」「めったに起こらない大雨」なども記述し、平均値を構成する気候の動態を明らかにした。また、日本の気候の特徴を、世界各地の気候との比較によって浮彫りにすることに努めた。そして、アジア太平洋地域の気象現象に関する新しい知識によって、日本の気候の形成過程を解明することを試みた。
目次
第1章 日本の気候の特徴
第2章 季節の区分
第3章 気温の季節
第4章 雨の季節
第5章 雪氷の季節
第6章 雷雨の季節
第7章 風の季節
第8章 霧と煙霧の季節
第9章 空の季節
著者等紹介
倉嶋厚[クラシマアツシ]
1924年長野県に生まれる。気象庁技術官養成所研究科(現気象大学校)1949年卒。気象庁予報官、防災気象官、主任予報官、札幌管区気象台予報課長、鹿児島地方気象台長を歴任。理学博士。1984年からNHK解説委員、NC9気象キャスター。現在、フリーの気象キャスター。1986年気象協会・岡田賞、1988年運輸省・交通文化賞、1991年第1回国際気象フェスティバル(フランス)・ベストデザイン賞、1996年日本放送協会・放送文化賞、勲三等瑞宝賞を受ける
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