内容説明
地理学の中ですら気候景観の有効性や面白さが、多くの人に知られているとは言い難い。これは今までの研究の蓄積が、必ずしも気候景観論として体系化されていないところに本質的な原因があるかもしれないが、本来視覚的な気候景観が視覚的なものとして紹介されてこなかったところにも大きな原因があると思われる。本書では、気候景観のおもしろさを知っていただくため、できるだけ多くの写真や図を使って、視覚的に気候景観の典型的な事例を紹介しようとしたものである。
目次
第1章 気候景観研究とは(気候景観概説;気候景観の事例 ほか)
第2章 山の偏形樹をめぐって(大雪山―しっぽ状植生;八甲田山―傘型の樹形 ほか)
第3章 平野と海岸でみられる偏形樹・防風林・屋敷林(斜里平野―開拓の苦難を偲ばせる耕地防風林;根釧原野―霧と偏形樹 ほか)
第4章 気候景観の調べ方(山の偏形樹調査法;屋敷林・防風林の調査法)