内容説明
トロイアの若き王子の恋と失恋の二重の悲嘆の物語。チョーサー、シェイクスピアに継承されてゆくボッカッチョの名作。待望の本邦初訳。
著者等紹介
岡三郎［オカサブロウ］
１９２９年生まれ。専攻比較文学・比較文化。日本中世英語英文学会・副会長（１９９３・９４）、会長（１９９５・９６）。現在青山学院大学名誉教授。文学博士
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感想・レビュー
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サタニス
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トロイア戦争派生のトロイロスとクレシダの物語群のひとつで伊のボッカッチョ作。これを元にして創作されたと思われる英のチョーサーの物とは始まりから終わりまでほぼ同じ内容だが、ボッカッチョが失恋した婦人あてに自分の気持ち込めて書いたわりには、チョーサーのものほど盲目的な語りではなく、俯瞰的で冷静な語りなので読むのはそれほど苦痛ではなかった。中盤にトロイロスが愛の女神にささげる詩が美しくて感銘を受けた。この物語の流れ（構成・発想）はシェイクスピアに受け継がれる。 2017/04/18
