目次
バリ島人の性格
写真と説明についての注
図版と説明
バリについての民俗誌的な注
著者等紹介
外山昇[トヤマノボル]
1954年生まれ。1981年東京外国語大学大学院修士課程修了。現職、埼玉大学助教授
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感想・レビュー
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おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
28
なしてまたこんな本読んだの?って私自身が思うくらいなんだがじつは私はバリ島がだいぶ好きみたいなのであります。とはいえほぼ100年近くも前に編纂されたこの書を携えバリニーズに対峙してみたところで、サムライやニンジャを求めて日本へ来てしまった欧米人の如く時代錯誤も甚だしいというものですが、今は失われつつもある純朴な風俗と今も面影を残す清廉な魂のルーツがそこかしこに写真とともに記録されており興味深く、急速なリゾート化著しいバリ島が少しでも永く神の住む島であり続けてほしいと勝手ながら想いを馳せてみるのでございす。2015/05/14
roughfractus02
11
見知らぬものに出会ったら、ひとまず自分の考えを投影するしかない。だが、ひとまず仮に、のところで留めるべきだ。土地が変わることはニュートン空間上の点の移動ではない。だからといって、他者に出会う時に自分の「心性」(エートス)を押しつけるわけにもいかない。1930年代マーガレット・ミードとバリ島に入ったベイトソンは、当時の人類学調査では前例のない写真記録を作り、キャプションと説明をつけて100の場面に分けた。彼は写真をボードにピン止めするようにしてそれらに言葉を添える。すぐにでも外せるような、仮止めの思考で。2017/02/16
ULTRA LUCKY SEVEN
2
何ていうか、これは「人間として生きることとは何か」という「前提」があると凄まじく面白い。最終章からドゥルーズは「ミルプラトー」という自身の代表作のタイトルを引用した。西欧的知性とは真逆の宇宙的自由がある一冊。2016/01/08