目次
第1章 プロローグ―水槽と地球儀
第2章 娘の誕生
第3章 家族いっしょに
第4章 「なにか教えて、パパ」
第5章 ニューヨーク・シティに育つ
第6章 隻手の白い手袋と隻手の手打ちの音
第7章 慣れ親しんだ地を離れて
第8章 人生の共有
第9章 性と気質
第10章 寓話
第11章 参加する観察者
第12章 私たち自身のメタファー
第13章 親愛なる同僚へ
第14章 死へのステップ
第15章 エピローグ―そして別れ、そしてまた会う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
べっか
3
この本を読むことも関係性の網に入り込むような稀有な感覚になった。父グレゴリー・ベイトソンと母マーガレット・ミードの名を少しでも知っていれば深く読み入ることができるだろう。メアリーの筆致は濃密。グレゴリーの思想の良き解説にもなってる。2020/10/08
逆丸カツハ
2
ベイトソンの娘である著者は今年亡くなってしまったらしい。亡くなった人の亡くなった人に対する回想録を読むのは妙な気分。読んでいて自分が嫌になった。複雑で繊細なパターンを持つ自然や文化は周囲になく美しい詩も解さない。複雑に成り立つ世界からかけ離れた抽象概念を考えてばかりの粗野な人間になってしまった。悔やんでもし方ない。自分にないものはこれから学ぼう。ベイトソンは表層の例は変わるが追求するテーマは年単位でゆっくりと進んでいたようだ。そんな風に自分も思考していきたい。いろんな気づきのある素晴らしい読書だった。2021/09/07
ULTRA LUCKY SEVEN
2
なんていうか。ベイトソン一家自体が、ベイトソン理論の結実であり、いい家庭教育であることがわかる一冊。 超絶優秀な学者一家に生まれたベイトソンが、自分自身も家族からのダブルバインドに悩んだことがわかる記述も。2016/02/05
bull
2
才能に恵まれかつ実生活上の陰翳が深い両親。懐疑する父グレゴリーは具象的リアリティと抽象的秩序を往還しつつ世界を見据え、道徳家で楽天的な母マーガレットは様々な方法を提示しながら世界に語りかけた。「知性のぶつけ合いも一つの愛の形だ」と娘は述べるが、二人は離別の選択をする。だが共に教師としては課題に多くの質問を組み込み、複雑な統合性を要求する論述を求めたという。優れて編集的だ。他にも本書は人類学とサイバネティクスを基底とした知と方法に関する記述に富んでいる。2015/03/29
soto
2
題名通りの内容。言葉になかなかならないような、親子の関わりが、まさに娘の眼から仔細に描かれている。研究や学問が、ほとんど日常と同居しているかのような日々。一読しただけでは、そのような印象は残るものの、そのエッセンスはつかみきれなかった感覚・・・2011/08/06