内容説明
ロバート・フラッドは「ルネサンス的人間」であった。ひとりの人間がすべての学問領域に関与しうる時代が終わろうとする時期に生きた。彼の目標は、宇宙…大宇宙=マクロコスモス…と人間…小宇宙=ミクロコスモス…に関する知識と、両者の関係を要約することにあった。両世界の探究あるいはロバート・フラッドの天路歴程。愛と知、薔薇と十字架の合一を目指す旅。一者の流体力学あるいはコスモグラフィア・サクラ。始原から展開し、再び始原へと還帰する万象の運動の軌跡を、深い敬虔と叡知に満ちた図像群が照明する。
目次
序論 両世界の探究あるいはロバート・フラッドの天路歴程
大宇宙
カバラ
ピラミッドと一弦琴
風と天候計
小宇宙としての人間
自然をまねる猿
小宇宙の諸技術
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- 和書
- 幸田文 老いの身じたく