感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirom
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いつか荻原裕幸氏が勧めていたのを求めて読んだ。終戦直後から前衛短歌までの流れをタイムワープするように辿った。俵万智登場までのマグマのような流れ。自分が知らない短歌がもっと明確に世界と対峙していた頃の息吹きがあった。文体は遥か四十年遡る懐かしいものだったが、所謂前衛短歌の目指した文学的、或いは思想的価値が琥珀のように輝かしく書き留められていた。今また盛んになりつつある短歌に、かつて塚本、寺山、岡野らが求めた価値が如何にして継承されるのか、あのラジカルな創造力がどこに息づいているのか。いや、他人事でなく。2015/09/15
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