感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっし~
9
「 草原をつくるには クローバーと蜜蜂がいる / クローバーが一つ 蜜蜂が一匹 / そして夢もいる―― / もし蜜蜂がいないなら / 夢だけでもいい 」――19世紀の偉大な詩人、エミリ・ディキンスン。若い頃の失恋の痛手から、家の敷地からほとんど一歩も出ることなく刺繍と詩作にふけった。死後900編に上る詩が発見されクラシックスの仲間入りを果たす。上記の詩は羽海野チカ原作の映画『ハチミツとクローバー』の冒頭シーンに出てくるそう(みすず書房HPより)。平明でありながら神秘に満ちた詩の数々に驚嘆する珠玉の一冊。2019/10/19
;
6
そこを飛びゆくものは/鳥 時間 そして熊蜂/これら悲歌を持たないもの//そこにとどまるものは/悲しみ 山 そして永遠/これらとて私を必要としない//あの眠りがあり復活があるところ/私にどうして天が説明できるだろう/謎はなんと静かに横たわっていることか(141ページ)2019/05/12
fonfon
4
何年ぶりかで読み返した。はじめて読んだのは15歳で、当時700円だったw その頃、大人になることが怖くて、日々のどんな些細な妥協も汚らわしく感じたものだった。ディキンスンには静謐な箴言や禅の公案のように謎めいたもの、翻って愛の慟哭のように激しいものもあり、死や不滅への想念が頑なに強くて、いったい何があってこんなに傷ついた女性なのか、と訝しんだ。19世紀、彼女のように激しく純粋を求める女性には、とても生きづらかったのだろう。いまもさして変わっていないかもしれないけど。「本能が記憶の落としていった鍵をひろう」2011/05/03
ヨコ(hitoshio)
1
個人的に非常に感銘を受ける。アヘン戦争、アロー戦争、南北戦争…激動の時代で紡がれた優しい言葉。日常の中の美が苦しくなる程愛おしい。原文読みたい。2016/02/29
-
- 和書
- 幸徳秋水 人物書誌大系