出版社内容情報
紛争後の多民族国家を「建国する」
その後の紛争事例における紛争解決、国家建設のモデルの先鞭をつけたボスニアの現在から得られた知見は、様々な紛争後社会を考察する際に、貴重な手がかりを与えてくれるだろう。本書では紛争後ボスニアにおける和解の可能性を探り、現状を他の国との比較を通して立体的に描き出す。
内容説明
紛争後の多民族国家を「建国する」その後の紛争事例における紛争解決、国家建設のモデルの先鞭をつけたボスニアの現在から得られた知見は、様々な紛争後社会を考察する際に、貴重な手がかりを与えてくれるだろう。本書では紛争後ボスニアにおける和解の可能性を探り、現状を他の国との比較を通して立体的に描き出す。
目次
第1部 ボスニアの過去と現在(多民族地域「ボスニア」における民族間関係の過去と現在;デイトン憲法―構成民族の集団的平等と少数派の参政権)
第2部 ボスニア紛争による教訓(ボスニア紛争の被害者と移行期正義―インタビューからの考察;人道的介入とジェンダー政治―ボスニア紛争の南アジアへのインパクト;国防改革の成功と代償―ボスニアとインドネシアの考察)
第3部 紛争後社会としてのボスニア(和解という道筋の可能性を考える;紛争後のボスニアにおける共通内集団アイデンティティが社会秩序に与える影響;現代ボスニアに民族間対立はあるか?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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月村先生の新作。書店で見かけ即購入。(文字が大きくなった気がしますが…)ボスニア・ヘルツェゴビナ(BiH)の邦書ラインナップが増えることに感謝します。BiHは紛争中か紛争後は政治ばかり話題になる印象があり、このような内容は興味深かった。ただ§4だけは途中から読んでいない。内戦の方が和解に至りづらい、デイトン合意に「民族」の概念が入ってしまったことで議会が機能不全になってしまうなど、厳しい現実にある。スルプスカが独立に打って出る厳しい未来が現実的に思えてくる。戦争を知る世代が少なくなると変わるだろうか。2024/11/04