内容説明
未曾有の戦時増税に納税者は―減税要求がもたらした所得税廃止という結末。対GDP比200%超という累積債務を抱えた近代英国は、深刻な国債危機にどのように向き合っていったのか?戦時中にプライマリー・バランスを採用することで、財政=軍事国家システムはどのように変容したのか?
目次
財政=軍事国家としての近世英国の黄昏
第1部 18・19世紀の転換期における財政請願運動の変化(請願者としての「アッパーミドル」の範囲規定;反革命戦争期の財政請願運動の階層・地域的拡大;反革命戦争前後における財政請願運動の比較)
第2部 反革命戦争期における財政請願運動の発展過程(国債発行への依存と請願運動の停滞(戦争前期)
戦時所得税の導入と請願運動の拡大(戦争中期)
戦時増税の定着と請願運動の進化(戦争後期))
第3部 所得税廃止論争における財政請願運動の展開(1815年と1816年の所得税廃止論争の比較;所得税廃止運動と麦芽税廃止運動の相互協力;所得税査定帳簿の分析から見た納税者の不満)
ポスト財政=軍事国家としての近代英国の黎明
著者等紹介
板倉孝信[イタクラタカノブ]
1982年神奈川県生まれ。2006年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2017年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。2018年博士(政治学)学位取得(早稲田大学)。現在、新潟大学経営戦略本部教育戦略統括室特任助教。専門分野:西洋政治史(近代英国政治財政史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mittsko
ワッキー提督