内容説明
性同一性障害傾向をもつことに、遺伝と環境はどのような影響をおよぼすのか。ホルモン療法、性別適合手術、性役割、性的指向、他者からの受容、パッシング…これらは、トランスジェンダーの性同一性にどのような影響をあたえるのであろうか。3300組以上の双生児と、545名のトランスジェンダー当事者への調査を通じて、多様で流動的な性別のあり方がどのような発達メカニズムで起こり、どのように形成されていくのかを解明する。また男性にも女性にも規定されない性別(Xジェンダー)にも注目する。
目次
序章 「ある性別として生きる」とはどういうことか―新たな性別観呈示のために(多様な性に関する諸概念;本書の構成)
第1章 これまでの性別観はどのようにつくられてきたか―本書の背景(性別観をめぐる学校教育領域とマス・メディア領域の立場の違い;これまで性同一性は、何によって形成されると考えられてきたのか;遺伝と環境要因をつなぐ行動遺伝学研究;“病理”としての性的自己の非典型性)
第2章 研究1 双生児データによる性同一性障害傾向の発達メカニズム(小児期から成人期までの性同一性障害傾向の遺伝と環境の影響)
第3章 研究2 多様な性同一性の形成(性同一性の測定法;身体への医学的介入とジェンダー・アイデンティティの関連;典型的性役割とジェンダー・アイデンティティの関連;性的指向の諸側面;他者や社会からの受容とジェンダー・アイデンティティの関連;ストレスコーピング・スタイルとジェンダー・アイデンティティの関連;規定されないものとしてのジェンダー・アイデンティティ)
終章 これからの性別観―総合考察(多次元モデルからみた性同一性;多様で流動的な性別のあり方)
著者等紹介
佐々木掌子[ササキショウコ]
2005年臨床心理士取得。2008年慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻後期博士課程単位修得満期退学。2010年博士号(教育学)取得。日本学術振興会特別研究員PD。2011年トロント大学留学。現在、立教女学院短期大学現代コミュニケーション学科専任講師、慶應義塾大学教職課程センター非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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