目次
1 初期カントにおける分析性
2 認識の批判と拡張―カントにおける「仮象性」と「蓋然性」の区別
3 人間の定めについて―ドイツ啓蒙とカントのテルミノロギー
4 カントと黄金律
5 ドイツ啓蒙と敬虔主義―自由論を巡って
6 人類の進歩と歴史物語―カントの批判的歴史哲学
7 カント的自律を再考する―多元的世界における反省する自己
8 自由と決定論をめぐるカントとディヴィドソンの対立―非法則論的一元論としての超越論的観念論?
資料研究(カント年譜の諸問題―著作、大学職、住居等について)
書評
感想・レビュー
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袖崎いたる
2
2017年からの積読。読もう読もうとして読まずにいた論集本。勝手に収録されてる論文をミックス・アレンジするのは楽しい。認識論とくると真理が問題になって仮象性と蓋然性を持ち出すカントやけど、人間の認識の営みが研究だって考えると、生まれたときや新しいことを知るのはみんな研究者としての幼少期にあたるからだって話になる。死んでオジャンになるのはそういうので、これらがみな仮象性でくくられる。にも拘らず真理の一部たる蓋然性に突き抜けるには「賭け」だと言う。…これ、人間讃歌(は覚悟の讃歌!)を謳うジョジョに似てねーか?2021/03/20