内容説明
医療の問題は、人間の歴史とともに古く、アスクレピオス医療集団やヒポクラテスにおいて、すでに合理的な医療技術が行なわれていました。また生命倫理の問題がどの方向へ発展して行こうとも、その根源は生命です。生命の問題ということになりますと、これは単なる医療の領域を越えた哲学における事柄ともなり、この問題も古来多くの思想家によって取り上げられ、論じられて来ました。本書では、具体的な生命倫理の諸問題と並んで、医療の思想や生命の問題に、歴史の観点からも触れています。
目次
第1章 生命倫理の成立(人間理解の問題―身障者と病める人の尊重;私は私です;医と倫理 ほか)
第2章 生命倫理の諸問題(あらかじめ生命倫理の内容全体を簡単に見渡す;人間の誕生にかかわる問題;妊娠中絶 ほか)
第3章 医療あるいは生命の問題を歴史を追って見る(概観;ヒポクラテスに先駆ける医療集団と合理的思想;アスクレピオス医療集団 ほか)