内容説明
原発に反対すると「左翼」なの?小泉元首相の発言に「ウラ」はあるの?東京電力はどうなるの?「デモ」をすれば原発は止まるの?大人気ジャーナリストが解説するこの国の未来を考える人たち必読の書。
目次
小泉元首相発言録―毎日新聞「風知草」以前とその後
加藤寛の一貫した主張
学生たちはこんなことを考えている
池上彰×山田孝男・毎日新聞政治部専門編集委員
大人の国フィンランド
オンカロ
インタビュー(細川護煕・第79代内閣総理大臣;吉原毅・城南信用金庫理事長;末吉竹二郎・元三菱銀行取締役NY支店長 国連環境計画・金融イニシアチブ顧問)
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年のあいだ「週刊こどもニュース」のお父さん役を務める。2005年よりフリーのジャーナリストとして、テレビ・新聞・雑誌等で活躍中。2012年より東京工業大学リベラルアーツセンター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒頭巾ちゃん
29
脱原発発言の小泉さんの意見だけでなくて、金融業の脱原発派の意見も取り入れているので視野が広がります。その一方で、池上さんの中立的な意見が出てきます。「なぜ、容易に脱原発にならないか」。原発は国策等よりも官僚主導であることが発端のようです。原発から日本人は新たな生き方を探るべきでしょう。お金ではない価値観を。今こそ子供から大人への成長を試されていると感じる1冊です!2014/02/26
ちゃこばあ
19
読了まで長いことかけてしまいましたが、とても勉強になることばかり!脱原発を進めるドイツ、自然エネルギー100%を目指すデンマーク、世界初の核廃棄物処理(オンカロ)に挑むフィンランドを訪ねるNHK報道紀行番組「キミたちの未来 僕たちの選択~時任三郎 世界エネルギーの旅~」を初めて知り、どうしても見たくて・・YouTubeで発見!心打つものがありました。城南信金理事長吉原氏、元三菱銀行取締末吉氏の意見・取組には本当に拍手喝采です。小泉氏の声は都知事選には響かなかったけど・・。池上氏の中立的解説等お薦めです。2014/04/23
ラクダ
17
平成26年1月発刊の本・・少し当時とは状況が変わっているような気がする。原発の情報も、集団的自衛権の問題もメディアが偏向報道するので、何が問題 なのかを国民が理解できないでいるのが問題だと思う。原発は危険だから止めたい気持ちはよくわかるが、原発を止めた時のリスクを正確に知ること必要だと思う。『命』か『金』か2者択一みたいな発言には共感できない。『金』=『経済』で経済が破たんした時失われる命もあるはずだ・・この本は原発容認・反対の立場を比較的公平に書いているので好感が持てる。 読みやすさ○2015/06/21
世話役
16
原発0というトピックよりも、小泉元総理が(既存の)政党政治にもはや価値を見出していないとの指摘に目から鱗の落ちる思いがした。ややもすると民主主義の否定に繋がりかねない発想だが、おそらくそんな苔生した発想ではない。全く新しい物の見方だ。とにかく、与野党問わず「政党政治が行き詰まっている」という捉え方は心に留めておいたほうがいい。小泉発言について元のスクープをした山田記者の本でもよいかもしれないが、ここは後発の池上氏の本を勧める。本書の内容は、原発問題だけでなく、おそらく今後のこの国の指標となりうるだろう。2014/01/03
gissy
12
脱原発の課題や原発推進の課題が手際よくまとめられている気がしました。反対するのか、賛成するのか?の議論の原点として、ちょうどよい本だと思います。フィンランドの「自国のゴミは自国で処理する。」という姿勢は今の日本にはないなと共感してしまいました。ただ、10万年後までそれを引き受けるという対応はホントに国家として大人な態度といえるのか?は正直、疑問を感じました。2014/04/20