出版社内容情報
ある日、気がつくと鳥かごの中にいた。そこに現れたのはおおきめの小鳥とちいさめの小鳥。中原中也賞詩人による、フレッシュで温かくて笑える物語絵本。ひとり暮らし、さびしい? (谷川俊太郎さんの帯推薦文付)
【日本図書館協会選定図書】
「友だちって、遠くに行ってしまったあともあなたをひとりぼっちにしないひと。一から始まって一で終わるこの絵本は、一にひそむ∞(無限大)をゆったりと呼吸している。」──谷川俊太郎(帯推薦文より)
64ページの短い物語ですが、長編小説を読んだときと同じような読みごたえのある作品です。中原中也賞詩人である蜂飼耳さんの繊細な言葉、イラストレーターの大野八生さんによる卓抜な色づかい。径書房の自信作です。──ひとり暮らし、楽しんでいますか?
内容説明
友だちって、遠くに行ってしまったあともあなたをひとりぼっちにしないひと。一から始まって一で終わるこの絵本は、一にひそむ∞をゆったりと呼吸している。中原中也賞詩人による物語絵本。
著者等紹介
蜂飼耳[ハチカイミミ]
詩人。1974年、神奈川県生まれ。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(1999年・紫陽社)で、第五回中原中也賞を受賞
大野八生[オオノヤヨイ]
イラストレーター。1969年、千葉県生まれ。造園会社退社後、フリーとなり、「Beru@Maga」(ソフトバンクパブリッシング)のイラストなどを手がける。造園家としても活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
53
図書館本。ひとり暮らしののぞみさんの家にある日突然2羽の小鳥が。そこから始まる3人(三)の物語。おしゃべりしたり、凧もなかを食べたり、一緒に眠ったり。しばらくして一羽小鳥が旅立って「二」になり、もう一羽も去って「一」になってしまった。寂しい?ううん、もともとみんな「一」だった。ちりちりちりと風鈴が鳴った。遠い誰かを思う時、それはもう「一」ではない。人生の孤独と出会う人たちの大切さがしみじみ伝わる素敵な一冊でした。2019/07/30
ぶんこ
35
一人暮らしののぞみさんの部屋の鳥籠が、少しずつ大きくなっていく。のぞみさんが気づかないふりをするのがいい。ある日帰宅すると部屋が鳥籠になっていて、大きなのと小さな小鳥がやってきました。料理好きでコーヒー好きな大きな小鳥。ほうじ茶好きで、お習字が得意な小さな小鳥。時々凧最中をみんなで食べる。そんな日々、最初に大きな小鳥が旅立ち、そして綺麗な赤い小石をのぞみさんにプレゼントして小さな小鳥も旅立ちました。小鳥と一緒に寝るところや、小さな小鳥が肩にのって出かける場面がほのぼの。静かな温もりが感じられました。2023/06/23
小夜風
26
【図書館】蜂飼耳さんの大人のための絵本。ひとり暮らしののぞみさんは気がつくと鳥かごの中にいました。そこへ現れたのはおおきめの小鳥とちいさめの小鳥。絵が素敵です♪小さくなった鳥かごからドアに続く小さな足跡にちょっぴり切なくなりましたが、のぞみさんはひとり暮らしだけど、独りぼっちじゃないんだなって、思えました。誰かを想うのって良いですね♪2014/08/01
野のこ
14
「おかしいな なんだか狭くなったいたい」料理が得意でコーヒーがお好きな大きめの小鳥さん。小さめの小鳥さん「のったままねむってしまうこともあり のられたままねむってしまうこともある」の文が好き。楷書のおけいこをさっとかくす内気なところの絵が可愛い。空空空空の字。いつかは鳥かごから飛び立つ日はやってくる。数字のたし算が切なかったです。でも確かに1+1+1の時も1+1の時もあった。凧最中のようなほんのり甘い和菓子を食べたくなりました。あとのぞみさんのスカートがどれも可愛かったです。2016/12/24
ヒラP@ehon.gohon
11
【再読】大人のための絵本2023/06/19