内容説明
満州・日支の風雲に沈んだ謎の麗人・川島芳子。稀代のトリックスターが破格の文業でいま甦る。
著者等紹介
村松友視[ムラマツトモミ]
1940年東京生まれ。少年時代を静岡県清水市で過ごす。慶応大学文学部卒業後、出版社勤務を経て作家活動に入る。『時代屋の女房』で第87回直木賞受賞。『鎌倉のおばさん』で泉鏡花賞受賞
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感想・レビュー
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クラムボン
14
村松友視は祖父であるが戸籍上は父:村松梢風の遍歴を本にしている。そんな一連の作品である「作家の旅」「鎌倉のおばさん」に続いて読むのは3作目。タイトルの「男装の麗人」は、元々梢風が昭和7年に「婦人公論」に連載した小説である。当時の川島芳子は、上海駐在武官:田中隆吉少佐の愛人であり工作員だった。田中から「彼女をモデルに小説を書かんかね。」と依頼されたのだ。梢風は2か月間芳子と寝室を共にするが、辛くも一線を越えなかった。友視はそんな梢風の著作や芳子の手記などを引用しながら、彼らの生きざまに迫ったのが本作品だ。2025/05/11
ころまる
2
何が本当で何が嘘なのか、分からなくなるような生涯だった印象を受けました。結局彼女の本音はどこにあったのか、分からずじまいでした。2015/09/09
シュラフ
2
川島芳子の生涯は波乱万丈すぎる。川島芳子こと愛新覺羅顯シは粛親王善耆の第十四王女として生まれる。その後、大陸浪人の川島浪速の養女として日本で育てられるも、養父である川島浪速に陵辱されて"男装の麗人"となる。そして上海に渡った川島芳子は日本軍の工作活動にかかわったとされる。日本の敗戦により国民党軍により逮捕され漢奸として処刑される。男性としての凛々しい姿の写真の他に女性としての写真を見たが、さすがに皇族の血をひく気品に満ちた美しい女性である。2012/09/29
lovejoy
0
★★★2024/06/13