内容説明
いまから１００年前、アイルランドの西の果て、アラン島滞在中に古老から聞いた話をもとに創作した『谷の蔭』。世界の演劇人の多くが古今東西の戯曲ベストテンのうちの一つに数える表題作『海に騎りゆく者たち』。アイルランド古代英雄譚、英雄ニーシと美姫ディアドラの悲恋物語に基づいた『哀しみのディアドラ』、ほか全６篇を読みやすい新訳で収録。
著者等紹介
シング，ジョン・Ｍ．［シング，ジョンＭ．］［Ｓｙｎｇｅ，Ｊｏｈｎ Ｍｉｌｌｉｎｇｔｏｎ］
１８７１～１９０９。アイルランド文芸復興の中心人物の一人。イェイツ、グレゴリーとともにアイルランド劇場運動を支えた。パリでの修行時代にイェイツにすすめられて、母国アイルランド西岸のアラン諸島を訪れ、近代化される以前の豊かな精神世界を発見。この体験はその後の作品に大きな影響を与えた
木下順二［キノシタジュンジ］
１９１４年生まれ。現代日本を代表する劇作家。「夕鶴」、「彦市ばなし」「子午線の祀り」などで著名
高橋康也［タカハシヤスナリ］
１９３２年生まれ。昭和女子大教授、東京大学名誉教授、国際シェイクスピア学会副会長
倉橋健［クラハシケン］
１９１７年生まれ。早稲田大学名誉教授・元早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長。英米演劇、評論
喜志哲雄［キシテツオ］
１９３５年生まれ。京都大学名誉教授。英米演劇、評論
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感想・レビュー
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ヨー
6
かなりよかった。凄い好き。2020/01/11
nightowl
2
田舎訛りに度肝を抜かれる序盤。喪に服す妻と浮浪者との心のふれあい「谷の蔭」死を意識しつつ海に向かわずにはいられない男たちの表題作、お金はないが神父から結婚を認められたい「鋳掛屋の婚礼」聖者の施しで目が見えるようになった夫婦だが「聖者の泉」父を殺したと吹聴する男に村の娘は大騒ぎ「西の国の伊達男」愛蘭土版傾城の美女「哀しみのディアドラ」の六作。どうしようもないのに愛おしい人々がいっぱい。ドタバタでは「～伊達男」悲劇では「～ディアドラ」が好み。なおp252とp267にコハナーという誤植あり。2019/02/03
