内容説明
平成10年9月、日本水産増殖学会道東地域研究集会が北海道根室市で開催された。根室は北洋漁業の基地として繁栄していたが、最近の人口減少の示すとおり、200海里問題の影響を最も強く受けた町である。水産資源の豊富な北方四島の帰属は今なお未解決であるが、ロシアとの間では漁業問題を中心に種々の交渉が粘り強く行われてきた。根室の置かれている厳しい状況はまさに岐路に立つ日本水産業の縮図といえる。本書には、根室シンポジウムの講演および関連する研究発表の一部が収録されている。
目次
1 21世紀型プロバイオテック水産業の在り方
2 北海道日本海沿岸の磯焼け
3 道東海域におけるホタテガイの生態とその増養殖
4 ホタテガイ漁場のマクロベントス群集
5 タラバガニ・ハナサキガニの生物学的特性とその資源培養における意義
6 マツカワの種苗生産と養殖の現状と将来
7 ベステル(オオチョウザメ×コチョウザメ)養成のシナリオ
8 北海道の潟湖の環境と生物生産
9 漁業は予想される21世紀の食料危機に奴何にして貢献しうるか、そして日本の責務