内容説明
「必ず、すべての人を助け出します!」そのとき、彼らは何を思い、どう動いたのか。訓練、災害派遣、国際協力…任務遂行に日々努力する自衛官たちの心意気を綴る!
目次
序に代えて―自衛隊に対する日本人の誤解
第1章 苦悩の時代に生きた自衛官の「戦史」
第2章 国際的に評価されるようになった自衛隊
第3章 屈強な精鋭たちの意外な素顔
第4章 日本国民が知らない自衛官の「当たり前」
第5章 「何かが足りない」自衛隊
著者等紹介
桜林美佐[サクラバヤシミサ]
日本大学芸術学部卒。ディレクターとしてテレビ番組を制作後、防衛問題を執筆。防衛省「防衛生産・技術基盤研究会」、内閣府「災害時多目的船に関する検討会」委員等を歴任し、安全保障懇話会理事及び国家基本問題研究所客員研究員に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
58
「自衛官の心意気」を改題文庫化。自衛隊の実態、多くの自衛官の心情をよく知る著者であるからこそ表すことができた本であると思う。災害派遣における自衛隊への期待、国防という本来任務、それらに伴うあるべき姿とどうしてもそうできない矛盾、市民の甘えた部分や反自衛隊、反米軍を是とするメディアや活動家である「市民」の身勝手さ。書かれているそれらの環境に腹立たしさを感じるが、その中でしっかりと責務を果たしている自衛官、自衛隊に敬意を持つ。2022/05/01
ぱぱみんと
1
常に政争の具にされ、まっとうな論議もされることなく、世間の無理解さの中で、優遇とはかけ離れた職務環境の中、日々の任務に努める隊員の方々。過酷な任務にも身を挺して飛び込んでいく。もっと感謝されて当然で、正当に評価されて当然で、そんな当たり前のことを訴えかけてくる一書でした。2023/05/28
しょうじ
1
国家公務員で組織され、国民の生命と財産を守るために従事し、国土や国民を外敵や災害から救う組織が憲法他で存在を定義されていない。必要に応じてその装備を使えない。その組織の活動が定義されておらず、有事の活動についても曖昧なままである。我が国の致命的な矛盾というか、「平和」という盾の裏での無策。自衛隊に従事する人が気の毒で仕方ない。この本の隊員の綺麗ごとはさておき、どこから見ても武力である日本軍を機能できないまま放置する危うさにもう気付かなければ、一番に被害にあうのは武装させられたこの隊員たちなのだ。2022/06/06